民法710条(精神的な損害の賠償・慰謝料)

民法710条(条文)
「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるを問わず、前条の規定により損害賠償の責を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
不貞行為に対する慰謝料請求
不法行為(民法709条)により損害を賠償する者は財産上の損害ばかりではなく、精神上の損害も賠償しなくてはならない。いわゆる慰謝料ということです。浮気(不貞行為)の場合、民法770条で「夫婦は相互に貞操義務(配偶者以外との性関係は持ってはならない)があります。それぞれが純潔を守らなければなりません。
この義務を破った場合、民法上の貞操義務に反した不法行為(民法709条)となり、その精神的な損害の賠償(慰謝料)を請求することができます。尚、損害賠償の方法は民法417条により「特別の約束が無い限り、損害賠償は金銭で支払う」ことになります。

慰謝料の算定基準と相場

慰謝料の相場は夫婦間のさまざまな環境や状況によってケースバイケースで決定されるため、慰謝料の金額が法律で明確に示されているわけではありません。例えば、相手に対し、1千万円の慰謝料を要求し、相手がこれに合意した場合は受け取ることは出来ますが、話し合いがこじれて訴訟になった場合は、あらゆる事情を考慮して、判例や司法統計などを参考にして決められることが多いと言われています。

婚姻年数や相手の有責度などによるおよその慰謝料の算定額が千葉県弁護士会編「慰謝料算定の実務」で発表されています。

浮気(不貞行為)が原因による不法行為の場合などでは他の原因による慰謝料よりも金額が大きくなるケースが多く見受けられます。

慰謝料算定の際に重要視される事情
  1. 婚姻を破綻させた原因及びその有責性と程度(不法行為の度合い)
  2. 精神的な苦痛の程度
  3. 婚姻期間と年齢
  4. 社会的地位と収入
  5. 資産状況や生活能力
慰謝料算定基準(「慰謝料算定の実務」千葉県弁護士会編より抜粋)
婚姻期間1年未満1年〜3年 3年〜10年10年〜20年20年以上
責任軽度100万円200万円300万円400万円500万円
責任中度200万円300万円500万円600万円800万円
責任重度300万円500万円700万円900万円1000万円

共同不法行為の責任(民法719条)